北海道はアイヌ民族でも有名ですね。
そして、アイヌ民族の伝説というのもたくさんあります。
その中の一つとして語られる有名な『恋マリモ伝説』をご存知の方もおられるかと思います。
ここでは、その『恋マリモ伝説』についてお話していきます。
アイヌ民族の『恋まりも伝説』とは
『恋マリモ伝説』とは、阿寒湖を舞台にしたアイヌ民族の切ない恋の物語です。
その昔、身分の違いで結ばれることが許されなかった若い男女が、阿寒湖にその身を捧げるという内容で、その男女の魂が姿を変えて阿寒湖のまりもになったという伝説です。
最近の『恋マリモ伝説』についての研究
この『恋マリモ伝説』は、今でも阿寒湖に訪れる観光客に向けて語られています。
そして阿寒湖は、今でもまりもに祈りを捧げることでいつまでも幸せになれるということで、恋人たちがたくさん訪れる人気の観光スポットでもあります。
しかし最近の研究によると、実はこの『恋マリモ伝説』とはアイヌ民族の伝説ではないとの見方もあり、アイヌ民族ではない人によるまったくの創作だという有力な手がかりについても報じられました。
この伝説に対する意見
上記の真相を知れば知るほど、何だかがっかりしたという方もおられるかもしれません。
しかし、この伝説に対する北海道の観光協会などからは「それでも観光を盛り上げてくれる興味深い伝説」というような内容の肯定的な意見もあります。
そして、意外にも地元の人々の間でも否定的な意見というのは少ないとも言われています。
「たとえ創作であっても語り継いでいくことでそれは伝説になる」という考え方もあるのだそうです。
まとめ
伝説とは何をもって伝説と呼ぶのかについては、いろいろな意見があるかと思います。
しかし、まりもや阿寒湖の魅力、そして自然の尊さを多くの人々に適切に伝える手段としてこの物語が語られてきたのならば、そして阿寒湖やまりもを知らなかった人々たちがこの物語によってその魅力に気づけたのならば、たとえ創作であるとしても何かしらの意義というのはある気もします。
まあこの伝説の賛否両論はともかく、やはり一番大事なことはまりもや阿寒湖だけでなくアイヌ民族の文化や北海道の自然に対して理解を深め、そして敬意を払うことだと思います。
創作であろうとなかろうと、人々に自然や文化の尊さを伝えるために役立つというのが「伝説」と呼ばれるものの本来の在り方であるかと思います。